貝紫染めのテディベアが幸せを運ぶプライムベア誕生物語

テディ誕生の時・・・

2009年01月29日

2か月近く経って、

中野さんから「テディベアできたよ!」ていう連絡が・・・・

そう・・・5体のテディベアが誕生したのです。



でも、

そんなに時間がかかったのは、思った以上に

テディベアづくりは大変だったということ。



まず・・・ペアをつくるためには耳や手や足、そして顔の部分や胴体

それが細かいパーツに分けられるらしい。



あまりにも小さい部分になると、糸がほつれてきたり、

小さな縫製部分もたくさんあって、職人さんはほんと大変だったようです。

ベアを1個仕上げるために腱鞘炎になる人もいるそうです。

そんな苦労をしながら、

でも一針一針縫われたベアが5体誕生した!

どのベアもほんと、愛嬌があったり、

やんちゃさんだったり、ちょっと寂しそうだったり、楽しそうだったり・・・



そんなペアを見た瞬間、

私はそのペアたちに対してなんともいえない愛おしさを感じ、
見れば見るほど、ずっと見続けていたいようなそんな気持ちになりました。

苦しみも痛みも忘れ
私の元へ生まれてきてくれたことだけを感謝する
あの分娩台でわが子を抱きしめた時の優しい空気に包まれたあの感覚。

そう・・・ベアから忘れかけていた癒しをもらった気がしたのです。

幸せを運ぶPrime Bear  


Posted by テディベア at 08:52Comments(0)誕生物語

幸せを感じることのできる商品づくり

2009年01月28日

中野デザイナーにデザインしてもらったバック
とっても素敵なものでしたが、
オーストリッチにミンクという素材を使うと・・・かなり高級。




そこで、市場調査をしてみると、
あまりにも高級すぎて、一般には持ちにくい・・・
などの意見も出てきました。

そして、また幾度となく、緑のそよ風の商品としてどうするか話し合いました。

さをり織りを使って、誰もが喜んでくれる素敵な商品を作らなければいけない。

そう、今やめるわけにも妥協するわけにもいかない。
想いの詰まったさをり織りをどうにかしてみなさんに知ってもらうまでは
いいものを考え、作りだしていかなければいけない。

先が見えているようで見えてない状態の中
何度も何度もみんなで打ち合わせをしていくうちに、
さをり織りを広くみなさんに知っていただきたい
みなさんに温かさを感じていただきたい

その思いは、中野デザイナーも鵜川社長も、
古市さんもみんな同じだと改めてわかったのです。




ただ・・・一人一人が自信をもってさをり織りを紹介できなければいけない
さをり織りから出てくるパワーや、
幸せ感をより感じさせれるものでなければいけない。

などなど・・・そんなふうな話し合いが何度もされました。

そして、最終的には
子どもから、大人まで幅広くさをり織りを感じていただけるものがいいのではないか・・・

そんな風に考えが絞り込まれていったのです。



そうやって、クマのぬいぐるみがいいのではないか・・・
という意見が誰からともなくでてきたのです。

さをり織りでクマを作ってみたらどんなふうになるのか・・・

大きなクマや小さなクマ

持っているだけであったかい気持ちになれそうなテディベアを・・・


そこからまた中野デザイナーのテディベア作りがはじまったのです。

でも・・・・

中野デザイナーからの「できたよ!」ていう連絡がなかなか来なかったのです。


幸せを運ぶPrime Bear  


Posted by テディベア at 08:58Comments(0)誕生物語

坂口施設長の涙に感動

2009年01月27日

中野さんとミルキーウェイに行ってから1か月ほどして、
中野さんから試作品が出来上がったという連絡をいただきました。

私は、古市さんと、鵜川さんとドキドキしながら、アトリエへ行きました。

そこには、

バック・マフラー・帽子

今までにないさをり織りと革の作品が誕生していました。



今までに簡単なポーチとか、バックなどは見ていましたが、

デザイナーがデザインし、
職人さんが縫ったものというのはまた何か洗練されたものがありました。

みんな思い思いにバックを持ってみたり、

帽子をかぶってみたり、マフラーを首にまいてみたり・・・・

 

なんだかとっても新鮮に感じられました。

後日、私たちはその作品をミルキーウェイの施設長の坂口さんに見せに伺いました。

すると・・・
20年近く、本物の糸にこだわり、
感性を大切にし続けてきたさをり織りが
中野デザイナーによって一つの作品になったことに感動された坂口さんは、
自分自身が、バックもマフラーも帽子も、すべてを身につけ、
そして、鏡をじっと見つめながら、涙を流されていました。





そんな坂口さんを見ていた私たちも・・・・
胸に熱くこみあげてくるものを感じたのです。

今までもわかっているつもりでしたが、
ますます、さをり織りに対する坂口さんの強い思いを知り、
そして、
私たちがするべきこと・・・ていうのが見えてきたような気がしたのです。



幸せを運ぶPrime Bear

  


Posted by テディベア at 17:11Comments(0)誕生物語

中野登志絵デザイナーとの出会い

2009年01月26日

心を織っていくさをり織りでどんなものを作ったら
そのよさが伝わるんだろう。

バック、ポーチ、コースターなど、今までにいろんなものを作ってきている。




タペストリーや、テーブルマット?

そんな意見もいろいろ出ました。

もちろん、どれも素敵なのかもしれないが、何かが足りない。

いろんな人に聞いてみたり、お店を回ってみたり、雑誌で調べてみたり・・・

そんな打ち合わせを何度も繰り返したのです。

でも・・・何度打ち合わせをしても、いいアイデアが出てこない状態で、
どうすればいいのか・・・て思っているちょうどその時に

古市さんにUD工房の安藝さんから
中野登志絵さんという、コシノヒロコデザイナーのお弟子さんで、
今三木町で皮革デザイナーをされている方がいらっしゃる
という電話が入ったのです。

早速、中野さんとお会いしてお話を聞くと、
中野さんの夢は
「障がいをもつ人たちの自立にむけてお役に立ちたい。」ということで

ほんと不思議なくらい私たちがその時必要と思っている人が現われ、出会えたって感じでした。


中野さんと、始めてミルキーウェイに出向いたとき
一本一本利用者さんが織りあげていったさをり織りを手にとり
感動されてました。



何かを作るためには、生地を裁断しなきゃいけないんだけど、
糸一本まで無駄にしたくない!ておっしゃりながら
反物を丁寧に選んでいらっしゃいました。




今まで、さをり織りのみで何かを作ろうとしていたけど、別のものと組み合わせることで、
もしかしたら、さをり織りのよさがもっと出せるのではないか・・・
そう、そして、
まずはさをり織りと革を組み合わてデザインしていただくことになったのです。



幸せを運ぶPrime Bear


  


Posted by テディベア at 09:18Comments(0)誕生物語

ノーマライゼーションて?

2009年01月24日

ある時、
ミルキーウェイ施設長の坂口さんからこんな話を聞きました。

「知的障がい者は、こつこつと同じ仕事をしていくことが得意。
でも、生まれながらにして与えてもらった能力が発揮できてない。
だから、そんなふうに個性を活かし、普通に生きていける場所・・・
発揮できる場所、それを作りたかった。
そのためにミルキーウェイを作ったんだ」と。

そう・・

障がい者だからといって、特別なのではなく、
その人にとって自分らしく楽しくできる場所
普通にできることが当たり前の場所

ノーマライゼーションの考え方を私は始めて知りました。



それまでノーマライゼーションという言葉すら知りませんでした。
知ってたとしても、その意味・・・・
これを言葉だけで言われてもたぶんすぐに理解できてなかっただろうな~て思います。

緑のそよ風とかかわって、さをり織りとかかわって行く中で、
感じ、気づいていったのです。




そしてさをり織りについてもこんな話を聞きました。
さをり織りは
織りむら・・・織ったときにできる傷がヒントになって生まれた織り物だそうです。

さをり織りの創始者城みさをさんは上手に織ることではなく、
自分らしく織ること・・・
捉われから抜け出して自由に自己を生きようとするこころ。

これこそが”織りのこころ”とおっしゃています。

そんなさをり織りは、
絵を描くこと、詩を書くことと同じように
既成概念にとらわれず自由に自分を表現することができる。



だから、織っているそばで、見ている人が
「もっとこんなふうに織ったらいいのに・・・」て、言うことはもちろん、思うこともいけない。
思いはそういった意味でも織り手に伝わっていくそうです。

まさに、一人一人の個を殺すことなく、それを尊重し、
一人一人の思いを大切にすることのできる織物だとはじめて気がつきました。

ミルキーウェイでは、ただ織り物を織っていってるのではなく、

一人一人の心を織っていってたのです。

坂口施設長はそんなさをり織りのこころを20年間守り育ててきていたのです。

城みさをさんの言葉



幸せを運ぶPrime Bear
  


Posted by テディベア at 09:03Comments(1)誕生物語

心のあるところに宝がある☆さをり織り

2009年01月23日

何度かミルキーウェイに行っているうちに
坂口由香さんという女性が織ったさをり織りを見せていただきました。

見てびっくり!

ダイナミックなタペストリーがあったり、

繊細なマフラーみたいなものもあったり、



もうどれも自由に織られ

どれにもストーリーのあるさをり織り。

テレビドラマ「相棒」のすごいファンで相棒の来ていたジャンパーをイメージして織られたそうです。

遠くから見たら緑一色でも、実はいろんな色が折り重なって深い緑になっていました。


由香さんの中で必ず何かストーリーが出来上がるそうです。
そして、その心の中のストーリーに基づいて、
織られていくそうです。

それには、既成概念などなく、自由に、感性のまま織られている。

そしてそのさをり織りからそのストーリーが私たちに伝えられているのです。

そんな由香さんの作品を集めた本も出版されていました。





その本の中にこんな言葉がありました。

「心のあるところに宝がある」

まさに・・・
由香さんの思いがさをり織りによって宝石となって輝いているのではないか・・・

と思えます。 



幸せを運ぶPrime Bear  


Posted by テディベア at 08:52Comments(0)誕生物語

ナチュラルで元気色!さをり織りとの出会い

2009年01月22日

さをり織りからテディベアが誕生するなんて、
はじめは考えもしませんでした。



そう・・・
最初からテディベアを作ろうなんて私たちの頭の中にあったわけではないのです。


私自身、緑のそよ風がまずなにをしなければいけないか
そんなこともあまりわかってなかったあの頃、

私は三谷町にある通所更生施設ミルキーウェイを訪ねていきました。

そこで初めて施設長の坂口さんとお会いしました。

坂口施設長は、強く優しく利用者さんたちを何からも守り育てるお母さんという印象でした。

そして、その時初めて
利用者さんたちが織ったという反物やタペストリーなどを見せてもらいました。




びっくり!

「色とりどりでとっても鮮やか。でも、ナチュラルな元気色」

何かわからないけど、
その反物たちから出てくる強いパワーを感じました。

そして、たくさんある反物どれを見ても同じものは一つもなかったのです。




でも・・・その時は
すごい色鮮やかなこんな反物が織れるんだあ~て思っただけだったのです。


ただ・・・
帰ってからもあの色とりどりの反物がずっと頭に残っており、
今考えると、あの時が。さをり織りのテディベアが
私たちにたくさんの人との出会いを与えてくれたことへの始まりだったように思います。

さをり織りには、織りに込められたそれだけの意味があったのです。



幸せを運ぶPrime Bear
  


Posted by テディベア at 08:52Comments(0)誕生物語

何も意識してなかったことからのはじまり・・・

2009年01月20日

まず、Prime Bearの誕生物語に入る前に
このお話をしていく私が、なぜPrime Bearとかかわっていくことになったのか・・・


私は緑のそよ風にかかわるまで
障がい者の方とお話しすることも交わることもありませんでした。

今思うと、障がい者の方に対して身体に障害のある人という認識しかなく、
もしかしたら、意識もしてなかったかもしれない・・・なんて思います。

そんな私が、さぬきビジネスファーム代表の古市さんから
緑のそよ風プロジェクト立ち上げの話を聞いているうちに、
私にも何かできることがあるかもしれない・・・そんなふうに考えるようになりました。
ただ、何をしたらいいのか、どんなことをするのか
まったくわかってなかったのです。

そして、最初、知的障害者通所更生施設ミルキーウェイに伺ったときも、
ミルキーウェイにどんな方がいて、
どんな活動をされているかまったく知りませんでした。

そう、今考えると
まったくなんの知識もない私を、ミルキーウェイの方々がよく受け入れてくれたなあて思います。



そんな私がこのさをり織りのテディベア誕生までを見てきて、
私たちも、障がいのある人も何の変わりなく、みんな一生懸命生きている!
てことに気づきました。

そんな当たり前のことに気づけたとき、とてもうれしかったです。



Prime Bearが誕生するまでにはほんといろんなことがありました。

感動や、気づきもたくさんありましたが、その中で戸惑いや失敗もいっぱいありました。
そのいろんなことを私の感じたままにお話していきたいと思います。


幸せを運ぶPrime Bear  


Posted by テディベア at 20:53Comments(0)誕生物語